M君の作文

おはようございます、studio prism の奥野です。

今朝、1月にいじめで悩んだ末に自ら命を断った長崎県の中3生M君が、去年の夏休みに書いた、人権が主題の宿題の作文がメディアに公表されていました。

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M君が書いた作文(一部抜粋)

空気

情報社会である現在、毎日膨大な情報が流れてくるが、必ずといっていいほど目にする記事がある。それがいじめ問題だ。「中学の男子生徒がいじめにより○殺しました」などという事件が起こるのが最近はあたりまえと思う人が増えていると思う。

いじめの加害者の気持ちを想像してみた。主な理由は二つほど考えられる。一つ目は、いじめという行為が楽しい。「相手の反応がおもしろい」などがよく補足としてつけ足される。このての加害者は恐らく、自分がその苦痛を知ることでしかやめないだろう。

二つ目は、周りの友達に合わせているからだと考えられる。そう、ほとんどの人が自分が嫌われないように生活しているのだ。もし、少しでも友達が嫌いな子に優しくすれば、そのことを責められ、今度は自分がいじめの対象になるのではないかという不安と恐怖にかられる。それの連鎖がおこるから、周りの人に合わせるといじめがおこる可能性があると思う。

もっともたちが悪いのは後者の方だ。なぜなら、いじめが完全に終わることがほとんどないからだ。対象者は移り変わってもいじめは続く。

では、いじめの原因は何かを伝えよう。それは「空気」だ。これが目に見えないものだから恐ろしい。いじめをしなければ自分がやられてしまうという空気、いじめに参加しないといけない空気。いじめの加害者、主犯でさえも空気によって動かされているのだ。

この問題を解決する方法はただ一つ……。みんなが親友になることだ。そう、実はすごく簡単なはずなのだ。人の笑顔は人を笑顔にし、その笑顔がまた別の人を笑顔にすると思う。僕の好きな歌にこういう歌詞がある。「空気なんてよまずに笑っとけ、笑顔笑顔、笑うかどには福来たる」。暗い顔をしていてもいいこと
は起こらない。学校で習う数学の公式や英単語を忘れても、笑顔の大切さだけは忘れないでください。

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M君の学校では1、2年時には別の生徒がいじめられ、3年になってM君が対象になったようだ、と書かれていました。M君は作文の中で自分がいじめられていることには触れず、M君の考えるいじめが起こる仕組みや解決法について書いていました。

子どもが亡くなった後、学校からこんな作文を返される親の気持ち、、、このような事件が起こる度に学校や教育委員会が言うのは、「いじめが直接の原因かは分からない」という決まり文句。本人が残した言葉以外に何が必要?と思います。

これは一部抜粋とのことですが、この作文のしっかりした構成、内容だけ見ても、M君の聡明さが伺えます。そして「人間というのは、自分より下の人間がいなければ不満をもつものだ」(作文の他の部分から)、「いじめの加害者、主犯でさえも(いじめをしなければ自分がやられてしまう、いじめに参加しないといけない)空気によって動かされているのだ」と加害者の弱さや自己肯定感の低さを見抜く力。

M君はいじめの加害者を責めると言うよりは、いじめは人間の弱さや思いやりのなさゆえに起こる現象であり、流れを止めなければ誰でも被害者にも加害者にもなりうる、といじめという現象自体が悪だと言っているような気がします。

この作文を書くにあたってM君は言っています。「いじめの加害者の気持ちを想像してみた。」 M君は書いています。相手の反応が楽しいからいじめをするタイプの加害者は恐らく「自分がその苦痛を知ることでしかやめないだろう。」 

でも実際に自分がいじめられることでその苦痛を知らなくても、いじめられる苦痛を想像出来たらいじめられたらどんな気持ちがするだろう、と想像出来たら、そしてM君が言う「空気」にのまれないでそれを止める強さを持てたら、いじめの加害者にはならないのではないでしょうか。

いじめられて苦しんでいる立場で、自分がなぜそんな目に合っているのかその理由を知りたいという思いで、自分をいじめている立場の人の気持ちを想像していたM君なら、「空気」にのまれることなく、いじめられる立場の人の気持ちを想像し(思いやり)、その「空気」を止める強さを持っていたかも知れない、と思います。加害者にならない強さを。

みんなが自分の事が大好きで自分より「下の人間」がいようがいまいが自分をいうものをしっかり持ち、いじめの「空気」にのまれない強さを持っていて、みんながみんなの気持ちを思いやれる世の中。そんな世の中はきっと笑顔でいっぱいでしょう。そのもとのもとのもとは親の愛情

親として出来る事は、M君の残したメッセージを忘れずに、子ども達を思いっきり愛することだと思います。

みんなで「空気」を変えよう

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プロフィール

奥野 香代
奥野 香代淡路島の頼れるカラーのプロフェッショナル
淡路島生まれ。1児の母。
20代30代のほどんどをアメリカで過ごし2009年に帰国。グラフィックデザイン、メイク、と色に携わった仕事の経験を生かすべく、帰国後各種カラー関係の資格を取得し、2013年に起業。サロンでの診断の他、講座・セミナー講師、カラーコンサルタントとして淡路島を中心に活動中。→もっと詳しく